このサイトに,『小説』人間革命に関する面白いやりとりがあります.

戸田会長は衆議院選挙はやらないと言っておりました.でも,彼の亡きあと,池田先生が「恩師戸田先生も時きたらば衆議院へ出よとのご遺訓があった」として衆議院選挙に手をつけ始めました.おそらく戸田門下生はみんな,「そんなの言ってたっけ?」と疑問に思ったでしょう.でも,「戸田先生の言葉」ですから,反対意見を述べれば組織的には戸田会長に反対することになってしまいます.そうして粛清された戸田門下生はたくさんいますね.

こうした手法が成功すれば,あとは好き放題です.あれもこれも「(絶対的存在である)戸田先生がやれとおっしゃったのだ,文句はないだろう」で皆を動かすことが可能になります.そして究極的には,自分自身を絶対的な存在にまで持っていくことができます.

その役割を果たすのが『小説』人間革命です.『小説』人間革命には,伸一青年を褒める戸田会長の言葉がたくさん出てきます.この『小説』には,伸一青年が後継者であり,伸一青年の考えることは全て戸田会長の考えだと思わせる表現がたくさん出てきます.つまり,この『小説』を読むと,伸一青年の考えに反対することは,戸田会長に逆らうことと思うように仕向けられています.実際,この本が『小説』と意識して読んでいる学会員はあまりいないようです.

最初に紹介したリンク先の内容は,『小説』版よりとてもリアリティーに富み,説得力のあるものもあり,かなり面白いです.わたしがそう感じる理由は,

(1) 学会シンパだった頃,『小説』人間革命を読んだ時に感じた「何か引っかかる部分」がこれを読んでスッキリした.
(2) 『小説』人間革命には詳細に書かれていない部分(もちろん他の学会書籍にも見られない)が,詳細に書かれている.
(3) 『小説』人間革命に描かれる山本伸一が,人間革命の必要がない完璧人間である.

ということです.そもそも『小説』と言っている以上,フィクションなんですよね.当たり前ですが,わたしは,書かれている内容が自分の信条に合うかどうかではなく,どちらにリアリティーがあるかで,信用するものを決めていきたいと思います.