【「青年部幹部会」結集へ向けて(中)】

妙子「わたしのことはともかく,入場券渡しておくから,考えてみてよ」
京香「だって,行っても足痛いだけで終わりですよ,いつだって.なんだか暗?いところで,つまんない話聞かされて.明るくなったかと思ったら,地元の幹部の人が,ひとり興奮して『皆さん,今日は本当に良かったですね』とか言って.わけわかんないですよ」
妙子「うんうん,中継で話しする幹部の人たちは,つまんないよね,いつも同じことばかりで.それに地元の幹部の話もいらない.わたしもよくそう思う.でも,先生のスピーチさえちゃんと聞いてれば,それで十分よ」
京香「あのー,わたしが言ってるのは,その先生の話なんですけど」
妙子「えっ? 先生はそんなことないわよ.先生はいつもわざわざ,新しいお話をして下さってるんだから」
京香「わたしは,そうは思わないですけど.結局,『恩知らず』とか『師弟だ』とか『勝て』とか,そんなことばっかり」
妙子「裏切り者がいたりして仕方ない部分もあるのよ.でも,ちゃんと聞けば,いろんな励ましの言葉,奮い立たせる言葉をおっしゃって下さってるのよ」
京香「っていうか,世間でふつうに言われてることだと思うんですけど,その手のものって.他の本や雑誌や新聞なんか読まずに,聖教ばっか読んでるから,そう思うんですよ」
妙子「先生と,他のそこらへんの人たちとは次元が違うわ.仏法というきちんとした根底があるし,それに,何百万という人を実際に勇気づけ幸せにされてきた,そのうえでのお話だから」
京香「そうですか? 違わないと思いますけどね.でも,わたし,スピーチ聞いても,なんにも感動しないですけど」
妙子「申し訳ないけど,それは,京香ちゃんに『聞こう』っていう姿勢がないからじゃない?」
京香「うわぁ出た,わたしのせい? 嫌なのに無理やり連れてかれて,挙げ句の果てに,内容がわからないのはあなたが悪い,っていう言い方」
妙子「そ,そうじゃなくて.言い方が悪かったね,ごめんなさい.そうじゃなくてね,弟子のほうに受けとめようという純粋な求道心がないと,師匠の思いは伝わらないのよ.わたしもまだまだ受けきれてないと反省しているの」
京香「もう,勝手に反省して下さいよ.そんな解釈されたら,よけいうんざりですよ.ちょっとでも否定したり疑ったりしたら,全部それは,わたしがダメという考え方じゃないですか.わたしは,師弟なんか全然関係ないですから」
妙子「そんなこと言わずに,何かを学ぼうと思って,参加してみようよ.そういう姿勢があったら,きっと何かをつかめると思うわ」
京香「だから,そういう気ないですって」

(続く)