いわゆる創宗戦争が勃発して何年か経過した頃です。法華講員のAさん、中立的立場ののSさんと縁する機会がありました。確か、最初にSさんと知り合い、SさんがわたしにAさんを紹介してくれたのがきっかけだったと思います。この交流は、半年くらい続いたと思います。

その当時のわたしは、「学会こそ正しい」と勘違いをしていた、少なくともそう思うように自分を仕向けていたので、Aさんに対して批判的な立場で対話をしておりました。時々失礼なことを言ったと思いますので、申し訳なく思っております。でも、そんなわたしに対してもAさんは誠実に、我慢強く話をしてくださいました。

Sさんは不思議な方でした。学会のことも、宗門のことも、ある程度の知識を持っていて、どちらの会合にも参加した経験があるようでした。ある時は、わたしとAさんの討論の司会者のようであり、ある時は第三者として楽しんでいるようでした。

3人の会話は、ほとんどメールでのやりとりでしたが、一度だけ六本木のお洒落なおでん屋さんで、三人で食事しながら話をしたことがあります。Aさんが「真面目な話だから、濃いお酒はやめておきましょう」と笑って言われたのを覚えています。話の内容はというと、当然ながら平行線で何の発展もありませんでした。しかし、お二人に対して親しみを持つことができました。

今考えると、それでよかったんだと思います。教義だとか本尊だとか、多くの矛盾を含んでいるようなものを信じ込んで、憎しみあっても何の価値もありません。むしろ、わたしなどは学会の隠された歴史を知らないまま、Aさんが信じる宗門の歴史だけを責めたわけですから、価値がないどころか問題ありですよね。

その後、Sさんと1回だけお会いして、会館の衛星放送に連れて行ったことがありましたが、いつの間にかSさんともAさんとも連絡し合うことはなくなりました。お二人とも元気かなあと時々思い出します。あまり宗教に傾倒せず、充実した人生を送られていることを祈ります。